こんにちは、キョウイです。
2018年12月末、僕はJAL上級会員「サファイア」に昇格し、JGC(JALグローバルクラブ)入会の資格を得ました。
なんとなくたどり着いた結果ではなく、年初からサファイア昇格を狙って計画し達成したものです。
しかも会社出張はいっさい含めず、すべてプライベートフライトでの達成です。
搭乗したフライトの回数は、海外国内あわせて計14回。
では、なぜ「修行」までしてJGC会員になりたかったのか?
今回は、JAL上級会員が得られるメリットやサファイア達成の条件、実際の修行体験について紹介します。
もちろん、獲得までに実際にかかった費用やフライト回数、その内容も全部公開しますよ。
目次
JGC修行(JALグローバルクラブ)のきっかけとは?
2018年1月、僕は年明けを大寒波のニューヨークで過ごしました。
その大雪の影響で帰りの便が欠航になり、JFK空港に30時間以上足止めになったのです。
当時のJAL会員ステイタスは、まだ空港ラウンジの利用ができない「クリスタル」でした。
しかし、たまたまマイルを使ってビジネスクラスにアップグレードしていたため、JFKの空港ラウンジでこの時間を過ごすことができたのです。
ラウンジでは軽食やお酒、WiFiや電源ももちろん、シャワールームなども用意されています。
いつフライトが再開するかわからない30時間ものあいだこの快適ラウンジで過ごせたのは、ビジネスクラス以上の乗客とJGC(JALグローバルクラブ)やサファイア以上の上級会員だけです。
一方ラウンジの外では、たくさんの人が途方に暮れて、寒さと情報の少なさで暴動寸前の騒ぎでした。
この時「今後の有事のときのためにも会員ステイタスを上げなきゃ」と思ったことが、上級会員を目指すきっかけになりました。
JGC(JALグローバルクラブ)とは?その8つのメリット!
航空会社はどこも、鉄道会社とは違って、顧客を利用実績に基づいてランク分けしています。
これが上級会員制度といわれるものです。
JALとANAは、上級会員をさらに3ランクに分けています。
JAL | ANA | |
松 | ダイヤモンド | ダイヤモンド |
竹 | サファイア | プラチナ |
梅 | クリスタル | ブロンズ |
僕は知らないうちにJALのクリスタル会員だったようですが、その自覚がなかったくらいですから、クリスタルではあまりメリットはありません。
大きくメリットを感じるのはサファイアからです。
サファイアに昇格すると、JGC(JALグローバルクラブ)への入会資格が得られます。
一度JGCに入会できれば、あとは年会費さえ払えば、半永久的にサファイア同等のステイタスが維持されるというしくみです。
これは本来、その航空会社をひいきにすることで、VIP顧客として優遇されるというシステムです。
その優遇メリットが、僕のように「修行」を積んででも手に入れようとする人間がた出てくるくらい大きいわけです。
では、サファイア以上の上級会員=JGC会員にはどのようなメリットがあるかを整理してみましょう。
① 空港ラウンジの利用
ニューヨークでの経験のとおり、なんといっても、まずはこれが大きいです
JALがビジネスクラスや上級会員(サファイア・JGC以上)向けに、各地の空港に用意しているラウンジを無料で利用できます。
ビジネスマンのあいだでは、出張前にサクララウンジで提供されるカレーの写真をインスタにアップするという「ステイタス・アピール」も流行りました。
② JGC専用チェックインカウンターの利用
搭乗の際、まずはチェックインカウンターで搭乗手続きをしますが、時間帯によっては混雑でものすごい行列ができていますよね。
このカウンターも、JGC会員、ビジネスクラス、エコノミーと分かれています。
JGC用のカウンターは空いていて、カーペットも上質。ストレスがありません。
もし海外の空港でJGC用カウンターがない場合は、ビジネスクラスのカウンターが使えます。
③ 預け荷物の許容量アップ
国際線エコノミーの場合、預け荷物の許容量は「23キロ×2個」までとなっています。
これがJGC会員になると「32キロ×3個」までアップします。
僕自身は旅の荷物が極めて少ない方なのであまりメリットではないですが、トータル18キロもの荷物量アップにメリットを感じる人も多いでしょう。
④ 手荷物検査の優先レーン利用
日本発の際ですが、手荷物検査場は優先レーンを通過することができます。
ファストセキュリティレーンといわれますが、一般的には存在も知られていないかもしれません。
いつも混んでいるうっとおしい手荷物検査が、スムーズにクリアできるメリットは大きいです。
たとえば、成田空港の第2ターミナルならこちらにあります。
⑤ 機内への優先搭乗
国際線と国内線で少し違いますが、いずれにしてもサファイア以上のJGC会員は、機内への優先搭乗が案内されます。
落ち着いて席を探したり、機内持ち込みの荷物を置く場所を先行できたりというメリットがあります。
それがメリットか分かりませんが、サービスのランク分けを徹底しようという姿勢が伝わりますね。
⑥ 到着時に預け荷物が早く出てくる
到着空港で預けた手荷物がターンテーブルに出てきますが、ここにも優先順序があります。
JALの場合、JGC会員であればエコノミーに乗っていてもビジネスクラスより早く出てきます。
これは搭乗時に手荷物に「PRIORTYタグ」がつけられるからです。
いつも目的地に早く向かいたいと思っている僕には、これも大きなメリットです。
⑦ 搭乗マイルの加算率が高い
JALの搭乗マイルの計算方法は以下です。
ボーナスマイルとは、ステイタスによって違っています。
たとえば、サファイアなら105%。クリスタルならわずか55%で、その違いは大きいです。
つまり上級会員になるほど、マイル残高の積み上げも加速度的なので、ステイタス維持もしやすくなっているわけです。
⑧ その他、キャンセル待ちの優先など
他にもまだ、細かく様々なメリットがあります。
・キャンセル待ちの優先度があがる
・特典航空券が取りやすくなる
・専用問い合わせ電話がある。などなど
・国際線エコノミーで扉前の広い座席がとれる。
・キャンセル待ちの優先度があがる。
・特典航空券が取りやすくなる。
・専用問い合わせ電話がある。などなど。
ちゃんとアナウンスされていないものも、結構あります。
以上ですが、どうでしょう。大きなメリットを感じませんか?
いわゆる「修行」とは、これらのメリットを得るために上級会員を目指すことになるわけです。
JALならば、サファイアに到達すればJGC(JALグローバルクラブ)への入会資格が得られ、入会後は年会費でそのステイタスを維持できるというしくみです。
(*ANAならプラチナに到達すればSFC(ANAスーパーフライヤーズカード)への入会資格)
サファイア達成の条件は?
JALの上級会員になるには「FLY ON ポイント」というポイントを貯めることになります。
なぜ、こんなポイントシステムがあるのでしょうか?
本来、マイレージプログラム(=マイル)だけで会員のランク付けができればシンプルだったでしょう。
しかし今は、マイレージプログラムをショッピングに解放しているため、飛行機を乗らず、お買い物で多くのマイルを貯める、いわゆる「陸マイラー(おかまいらーと読む)」が増え過ぎてしまいました。
そのため、本当のVIP顧客のステイタスをランク付けするために、純粋に飛行機に乗ったポイントプログラムを別に用意しなければならなったというわけです。
それがJALの場合は「FLY ON ポイント」、ANAは「プレミアムポイント」。
では、JALの場合、上級会員「松・竹・梅」のステイタス達成必要な条件を整理しましょう。
・松「ダイヤモンド」:100,000ポイント以上。もしくは120回以上の搭乗かつ35,000ポイント以上
・竹「サファイア」:50,000ポイント以上。もしくは50回以上の搭乗かつ15,000ポイント以上
・梅「クリスタル」:30,000ポイント以上。もしくは30回以上の搭乗かつ10,000ポイント以上
どうでしょう?なかなかのハードルですよね。
まずはこの条件を理解して、サファイア到達までの計画を立ててみましょう。
FLY ON ポイントの算出方法は?
搭乗によって獲得できるFLY ON ポイントの算出は少し複雑です。
FLY ON ポイントの算出計算は以下のようになります。
*「積算率」とは、予約する座席クラス(ビジネスクラスやエコノミー)や運賃(往復割引や先得割引など)によって変わる掛け率です。
国際線は150%,100%,75%,50%,30%、国内線は100%,75%,50と掛け率のランクがあります。
*「FLY ON ポイント換算率」とは、JALが他の競合と競争が激しい路線で、以下のポイント倍率が換算されるものです。
・国内線=2倍
・国際線で日本発 – アジア・オセアニア着=1.5倍
・その他は1倍
*「搭乗ボーナス」は、搭乗するごとに運賃種別によって、400p,200p,0pのいずれかが加算されるものです。
いずれも詳細はJALのウェブサイトにありますが、これを手計算で算出するのはなかなか面倒です。
そこでJALのウェブサイトやスマホアプリでは、FLY ON ポイントの計算シミュレーションソフトが用意されています。
これをうまく使って、こまめに、より安価で多くのポイントが貯まる航空券を探していきましょう。
サファイア到達の効率的な方法は?
では実際に、サファイア到達の効率的な方法を考えていきましょう。
まず「50,000ポイントでの達成」を狙うか、「50回以上搭乗」での達成を狙うかの選択です。
これは、どう考えても50,000ポイントの方が達成しやすいでしょう。
50回搭乗ということは、25往復。コンスタントに月2回以上の搭乗が必要です。 仕事で定例の出張がある人はこちらでも達成可能でしょうが、都度予定をつくっての50回搭乗はなかなかしんどいと思います。
50,000ポイントを狙うと決めたら、以下3つを活用しましょう。
① JALカードをつくる
まず、JALカードをつくりましょう。
サファイアを狙うのは、半永久上級会員としてJGC(JALグローバルクラブ)の入会資格を得るためです。
そのJGCは、カード会員として年会費を払うものです。
苦労してサファイアを達成しても、万が一カード審査が通らないなんてことがあったら目も当てられません。
なのでまだJALカードを持っていない人は、先につくっておきましょう。
\JALカードはこちらから申請できます/
僕は「CLUB-Aカード」(税込10,800円)を使っています。
さらに、お買い物マイルが貯まる「ショッピングプレミアム」(税込3,280円)と、安い航空券でも積算率の100%が保証される「ツアープレミアム」(税込2,160円)もつけています。
そしてサファイア達成によって、このカードを「JGC CLUB-Aカード」に切り替えました。
② FLY ON ポイント「キャンペーン」を活用する
まずは「初回搭乗FLY ON ポイントプレゼントキャンペーン」です。
年の初回搭乗時に5,000FLY ON ポイントがもらえるもので、2020年も継続されています。
もうひとつは「FLY ON ポイント2倍月キャンペーン」です。
これは、自分の好きな月を設定し、その月内の搭乗ポイントはすべて2倍になるというもの。これも2020年も継続されています。
これらを利用できれば、サファイア達成はものすごく楽になります。
③ 国内便・アジア・オセアニア行きの「FLY ON ポイント換算率」を活用する
前述のように、FLY ON ポイントは、国内だと2倍、アジア・オセアニア行きだと1.5倍に換算されます。
これを最大限利用して達成計画を立てましょう。
東京からの直行便なら以下が最も距離があり、区間基本マイルが高いです。
・国際線:シンガポール便
「積算率」があるため、エコノミーではなく、ビジネスクラスやクラスJでの安価な航空券を探すのがいいでしょう。
効率だけを重視するなら、この2つの安価な航空券を探して予約していけば確かです。
\国内便「先得プラン」はここから確認できます/
あとは、自分が楽しみながらポイントを貯めるにはどうしたらいいかを考えながら、他の行き先を混ぜつつ計画立てていくだけです。
ストイックに「東京ー沖縄」を何度も往復する人もいますが、僕はせっかくなので、あちこち旅行も兼ねて無理せず達成する方法を選びました。
そしてポイント獲得の効率性、つまり「1FLY ON ポイントあたりいくらかかったか」の単価を検証する計算式が以下です。
* 目安は1FLY ON ポイント = 10円
単価が10円を切れば、効率性としてはなかなか上出来でしょう。
僕がサファイア到達までに搭乗した全14回の内訳と費用を公開!
今回の計画当初、僕がサファイア到達に向けて立てた「修行の方針」は3つです。
- 50回搭乗は無理なので、50,000FLY ONポイント獲得での到達を狙う。
- ストイックに東京ー沖縄の往復を繰り返すのではなく、楽しめる旅を大切にする。
- ビジネスクラス / クラスJ以上を利用し1搭乗あたりの獲得ポイントを最大化する。
この方針に基づいて、計14回の搭乗でサファイアに到達しました。
会社出張はなく、すべてプライベートの自腹旅です。
その内訳を公開します。
目的地 | FLY ONポイント | 座席 | 費用 | ポイント単価 |
ニューヨーク | 5,000 | 特定航空 | ¥0 | |
グアム | 1,961 | ビジネス | ¥110,010 | ¥31.8 |
1,493 | ビジネス | |||
広島 | 1,310 | クラスJ | ¥63,380 | ¥24.1 |
1,310 | クラスJ | |||
ホノルル | 5,189 | ビジネス | ¥222,220 | ¥21.6 |
5,189 | ビジネス | |||
香港 | 3,818 | ビジネス | ¥150,240 | ¥19.7 |
3,818 | ビジネス | |||
沖縄那覇 | 2,072 | クラスJ | ¥28,880 | ¥7.0 |
2,072 | クラスJ | |||
クアラルンプール | 6,659 | ビジネス | ¥183,230 | ¥13.7 |
6,659 | ビジネス | |||
ダラス | 4,905 | ビジネス | ¥125,675 | ¥20.8 |
カンクン | 1,114 | エコノミー | ||
合計 | 52,569 | ¥883,635 | ¥16.8 |
52,569ポイントを獲得するのに、883,635円がかかりました。
すべて、東京(成田または羽田)からの発着便です。
これを見ると、沖縄那覇やクアラルンプールなど、国内・アジアの換算率のパワーを実感しますね。
沖縄那覇だけの往復なら、30万円代で達成できたことになります。
最初のニューヨークは特典航空券で、本来はFLY ONポイントはつきませんが、「初回搭乗キャンペーン」による5,000ポイントが加算されました。
搭乗回数にはカウントしていませんが、このポイントは大きいですね。
また、1搭乗あたりの獲得ポイント最大化といいつつ、国内線のファーストクラスには乗りませんでした。
これは、ファーストクラスは「先得」などの割引航空券が予約できないためです。
裏ワザとしては、割引航空券でクラスJを予約しておき、当日に空港でファーストクラスのキャンセル空きを確認してアップグレードするという方法がありますが、この1年間はそのタイミングがありませんでした。
前述の通り、一般的に「修行」における1 FLY ONポイント獲得単価の目安は「1FLY ON ポイント = 10円」です。
しかし結果は、1FLY ON ポイント = 16.8円 。
JGC修行で何を得られたのか?
実は内訳で紹介した旅は、「修行」と言いながらも本当に楽しくて、他では得難い経験ができました。
ワイキキでは、燃えるようなサンセットを前に時が止まるような体験をしました。
香港では、モンスターマンションといわれる超人口過密住宅に圧倒されました。
マレーシアのクアラルンプールでは、アロー通りの屋台で熱気に包まれました。
何よりの収穫は、強制的にあちこち旅に出たため、「世界が近く感じるようになった」ことです。
「修行」は、見聞を広げる絶好の機会にもなるのです。
これはもしかすると、JGC会員のメリットより大きな収穫かもしれません。
あとあえて言うなら、「修行」なんていう変な世界があることを知ったことも収穫でした(笑。
最後に:陸マイラーの前に上級会員を目指そう!
2019年1月に、JALからサファイア到達の連絡メールが届きました。
これまでの「修行」が走馬灯のように浮かび、じわっと、こみ上げてくるものがありました。
そして、晴れてJGC会員に入会できました。
僕はもちろん、陸マイラー(おかまいらー)でもあります。
ショッピングマイルもポイントマイルもガンガン貯めています。
ただ、世の陸マイラーを見ると、貯めたマイルで旅行にいって「今は節約旅行だけど、いつかは贅沢な旅行もしたいな」という人がいます。
でも、それ逆ですよ、逆。
先に「空マイル(そらまいる)」で修行して上級会員になれば、その後は陸マイルの旅でも半永久的にVIP対応を受けられるようになるのです。
ここに紹介したように、年初から計画すれば、サファイアまではそれほど無理なく到達できます。
しかし、僕のように狙って獲得していく人が増えているため、今後、いつ達成条件が引き上げられるかわかりません。
もし上級会員を目指すのなら、なるべく早い方がいいと思います。
最後に、国内便「先得」サイトとJALカードの公式サイトを案内しておきますね。
\JALカードはこちらから申請できます/
\国内便「先得プラン」はここから確認できます/
あと、もっと深く研究して上級会員への昇格を目指したいなら、こちらの本がおすすめです。
僕もこれを読んで修行に臨みました。JAL同様にANA対策も解説しています。
さて、長くなりました今回は以上です。
ぜひ修行を楽しんでください。みなさんの成功を心より祈っています。
それでは、よい旅を!